2020年大学現役合格実績比較:札幌の人気公立高校

札幌市にある人気の4つの公立高校(札幌南高校、札幌北高校、札幌西高校、札幌東高校)の大学合格実績を比較しましたという企画です。

 

ただし、「偏差値の高い高校が当然大学の合格人数多いでしょう」という結論では、意外性がないので、以下の様な重み付けを行って比較してみました。

 

はじめに、「高校の偏差値」(注1)と、2020年の「国立難関10」(注2)と「公立医学科」の現役合格者数のデータを表にまとめました。出典は本文最後の注を参照ください。表の「分布(上位%以上)」は後で使います。

 

表. 各高校の偏差値、国立難関10現役合格者数、公立医学科現役合格者数のまとめ

高校 偏差値

国立難関10

公立医学科

分布

(上位%以上)

70 129

38

2.28

67 127 12

4.46

西 65 53 6

6.68

64 67 4

8.08

 

表から、以下のような印象を受けるのではないでしょうか?

  • 南の医学科現役合格者数は断トツで多い。
  • 北は、南より偏差値が低いのに国立難関10(注3参照のこと)の現役合格者数は南とほぼ同じ。
  • 西や東は、他2校と偏差値差があるのでこのまま比較しても、、、どうなんだろう?

 

それではさっそく偏差値が違う学校を同じ土俵で比較できるようにしましょう。

 

使うのは表の「分布(上位%以上)」です。これは「偏差値Y以上が、全体の上位X%に当たるか」を表しています。たとえば、「偏差値64以上なら、全体の上位8.08%の順位ですよ」となります。全体が1万人なら、偏差値64は成績上位808位までの集団になります。1万人ってどのくらい?と当たりがつけるれるように、札幌市の中学生の1学年の人数が約1.4万(注3)ということを挙げておきます。

 

すこし脱線しましたが、この値を使って各校の偏差値70以上の生徒数を推定します。そして各高校とも同じ偏差値(ここでは70以上)の生徒数だけで合格数を比較することにします。

 

ただし仮定として、東であれば偏差値64なので、全体の808位(上位8.08%)までの受験生の中からランダムに東に入学したとします。この場合、東の生徒の中で偏差値70以上の生徒数が推定できます。

 

偏差値Yの高校の偏差値70以上の推定生徒数 

   = 偏差値70の分布(上位2.02%以上)÷ 偏差値Yの分布(上位X%以上)x 定員320人

 

たとえば、東なら上位8.08%までの集団から入学なので、8.08%の内の2.28%は偏差値70以上となり、偏差値70以上は2.28/8.08x320 = 90人と推定します。

  

このようにすることで偏差値をそろえた条件で各高校の合格実績の比較が可能となり、また、合格実績だけでなく、偏差値70以上の受験生が南、北、西ではなく東に進学したらどうなるの?という見方で考えることも可能かと思います。

 

では、計算結果を以下の表に示します。

 

表. 偏差値70以上の生徒数の推定結果。各校とも定員は320名です。

高校

推定生徒数

(偏差値70以上)

国立難関10

の現役合格確率

公立医学科

の現役合格確率

学力重視15%枠

の学力:評定

320 40%

12%

10:0
163 78% 7% 9:1
西 109 49% 6% 10:0
90 74% 4% 8:2

 

表から、以下のような印象を持つのではないでしょうか?

  • 南の医学科現役合格率は断トツ、じつに学年全体の12%も医学科に現役合格。医学科現役合格するなら南への進学が良いのでしょう。
  • 北と東の国立難関10の現役合格者率は、南と西を圧倒(約2倍)。医学科志望でない偏差値70以上の生徒は北、西がお勧めかもしれません。
  • 西も国立難関10の現役合格者率では南と同程度。
  • 北、東とも学力重視枠で内申を他校と比べ重視という点も影響している可能性があるかもしれませんね。

 

以上、偏差値の違いを顧慮して札幌の人気公立高校の2020年の大学現役合格実績を比較してみたという企画でした。

 

 

(注1)北海道高校の合格者 平均SSランキングを用いています。

https://www.do-con.com/data/pdf/ss2019.pdf

(注2)「国立難関10」というのは知らなかったのですが、札幌南や札幌北で10の国立大学を難関大学としているようなので、その集計を使いました。

(注3)令和元年度(2019年度)北海道学校一覧より

 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksk/chosa/gakkou-i/2019gakkou-i.htm